2011年12月19日月曜日

靖国神社の狛犬(2)

表参道をしばらく行くと、まもなく大村益次郎の銅像が見えてきます。
三対目の狛犬は、銅像の左手にある石鳥居のところに鎮座しておりました。



↑石鳥居と大村益次郎銅像




この狛犬は、昭和八年に旧片倉財閥によって奉納されたものです。
築地本願寺の設計などで知られる建築家の伊東忠太がデザインし、弥彦神社に奉納された狛犬が原型になっており、『狛犬かがみ』の分類法では護国系の「弥彦神社型(忠太狛犬)」と呼ばれるタイプにあたります。
この狛犬もやはり伊東の手によるものですが、彼はそれに先駆けて、大正十三年に靖国神社の大改修の指揮を執った経験があるので、そうした縁故から、狛犬の製作者にも選ばれたものであろうと思われます。

伊東は三十代の時に、建築の研究のため中国・インド・トルコを三年間にわたって旅しましたが、その影響からか、狛犬の姿もどことなく日本的でない。
というか、かなりライオンに近いのが特徴的だと思いました。

四対目の狛犬は、靖国通りに面した南門の前に鎮座しておりました。




この狛犬は昭和三十八年の建立で、奉納者は井関農機株式会社です。
あのイセキトラクター、イセキコンバインなどで有名な井関農機ですね。
前掲『狛犬かがみ』の分類によれば、これもやはり護国系の狛犬で、その中でも「大宝神社型」と呼ばれるタイプにあたります。

大宝神社型は、滋賀県栗東市の大宝神社にある木像狛犬を源流としたもので、シュッとしたスマートな蹲踞スタイルが特徴。
このタイプは、のちに広く普及することになる「岡崎型」という量産型狛犬の原型にもなり、ゆえにこれを「岡崎古代型」と言うこともあります。
コピー版の岡崎型を含め、似たような形のものが非常に多く、見つけてもそんなにありがたがられない、ある意味では残念なタイプの狛犬だともいえます。

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