2011年12月30日金曜日

小野照崎神社の富士塚

小野照崎神社の拝殿の左側に富士塚がありました。
高さは約五メートルで、文政十一年(1828)に富士山から運んできた本物の溶岩を用いて築山したものといわれています。



江戸時代は富士信仰が盛んで、富士山登拝を目的とした講(富士講)が各地で組織されました。
しかし、富士山に行くことができない人も多くいたために、このように富士山を模したミニチュアの塚を築き、それに登ることで、実際の富士登拝の代わりにしたというふうに伝えられています。
今でも毎年六月三十日と七月一日には、富士山のお山開きに合わせてこちらの富士塚でもお山開きが行われ、入口の門扉が開放されるとのこと。
その間は誰でも自由に登拝することができるのだそうです。

現存する富士塚はあまり多くなく、残っているものの中でもこの小野照崎神社のものは特に保存状態が良いことから、昭和五十四年には国の重要有形民俗文化財に指定されました。

門扉の両脇には、一対の神猿像が奉納されています。



富士塚に猿の像が奉納されているのは、富士山が誕生したのが考安天皇九十二年の庚申の年だという縁起に由来するようです。
猿は庚申様の使いですから、庚申年が縁年である富士山の使いも猿であるはずだ、ということになったのでしょう。
どうでもいいけど顔はちょっと怖かったです。

さて、最初に書いた通り、この神社へ来たのはまったくの偶然だったわけですが、はじめて富士山に登った数日後に、たまたま道に迷ってたどり着いた場所で、富士山にまつわるものに出会ったということはまことに奇縁というほかなく、わたしはこの共時性に対して、いささか驚きを隠せませんでした。
この世ではあらゆることが起こりうるので、何が起きても不思議ではないはずなのですが、偶然が何回も重なると、やはり何かただ事ではない感じがするものです。
これが「ありがたい」ということなのでしょうか。
おかげで、わたくしにとって忘れがたい神社となりました。

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