2012年3月8日木曜日

九頭竜神社について

万巻上人にまつわる伝説に、九頭竜明神の伝説があります。
それは、このようなお話です。

奈良時代、芦ノ湖には恐ろしい毒竜がすんでいました。
毒竜は夜になると湖を這い出し、付近の村里にやってきて、女子供を見ると、ひと飲みにして湖に戻っていったのだそうです。
恐れおののいた村人たちは家の門をかたく閉ざし、わが子を守りました。
しかし一方で、このままで済むのだろうかと、毒竜の報復を恐れながら不安な日々を過ごしていました。
はたして、村には原因不明の病が流行したり、不審火が続いたり、旱魃が続くなどしました。
これは毒竜の祟りに違いないと思った村人たちは、毒竜の祟りを鎮めるために人身御供を献ずることにしました。
白羽の矢が立った家の娘は、泣く泣く湖底に沈められていったそうです。
その頃、箱根山で修行をしていた万巻上人は、人づてにこの悲しい人身御供の話を聞くと、毒竜をなんとかして退治せんと、村にやってきました。
上人は村人たちに湖岸に石段を造らせると、その上で三七、二十一日の間、断食苦行をしました。
そして満願の日。
毒竜が現れ、苦しみながら上人に許しを乞いましたが、上人はこれを許さず、竜を湖底に生える倒杉に縛りつけてなおも調伏しました。
すると、毒竜は九つの頭を持つ竜神と化し、末長く村人を守ると誓って湖底に姿を消していったそうです。
上人と村人たちは喜び、湖の畔に社を建て竜神を祀りました。

これが、箱根樹木園内に鎮座する九頭竜神社本宮の来歴であります。


以来、村人たちは人身御供の代わりに、毎年三斗三升三合三勺の赤飯を九頭竜に捧げ、村の安泰を祈願しました。
この行事は、毎年七月三十一日行われる湖上祭として、今日まで引き継がれています。

九頭竜神社本宮は、箱根神社境内からやや離れたところにありますが、本宮より御分霊を奉遷し、境内に祀ったのがこちらの新宮です。
平成庚辰の年(平成十二年、2000年)に建立されたものだそうです。


本宮まで行く時間がなかったので、こちらでお参りしました。
辰年に参拝するにはうってつけの神社だったと思います。

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