2013年7月31日水曜日

盛美園②庭園

先述の通り、盛美園というのは清藤家二十四代当主盛美が武学流の小幡亭樹宗匠を招き、明治三十五年から九年の歳月を費やし造らせた庭であります。
武学流池泉枯山水廻遊式という様式で、総面積は三千六百坪(約1.2ha)。
受付でもらったパンフレットによると、武学流というのは「江戸時代の始め頃、都落ちしてきた公卿が、本来の仏教文化に、地方的な古神道文化の手法を取り入れて作ったこと」にはじまる作庭の流派のことであり、これは津軽では特に人気のあった流派なのだそうです。

庭園を見てみますと、まず中央に水の張った池泉があり、その中に神仙島という中国の神仙思想に基づいた浮島があります。
そこを中心として、左手の手前側には登拝山、その奥の方に須弥山に見立てた「真の築山」という仏式の築山があり、


右手には神道思想を表しているという「行の築山」という築山があって、


さらに「行の築山」の手前側に、主に石組と刈込からなる「草の平庭」という空間がありました。


庭園については、ボランティアガイドの方がついて説明をしてくれましたが、写真を撮るのに夢中だったせいか、あまりよくは覚えてはいません。
が、石が三尊仏を表していたり、一見バラバラに置かれた九つの石が「臨・兵・闘・者・皆・陣・裂・在・前」の九字護身法を表していていたりで、すべてが呪術的に計算され尽くした配置になっているらしいということはわかりました。
物事すべてに意味なんか込めなくてもいいのに、と少し思いました。

ところで「真の築山」と「行の築山」の間には、空間がぽっかりとありますが、


盛美館の二階の窓から眺めると、ちょうどこの空間に梵珠山がくるようになっているのだそうです。


これは借景といって、自然の縮図・ミニチュアであるところの庭園に、外の本物の景色を取り込んで、空間に奥行きをもたせようとする手法であります。
外の景色を借りているから「借景」というわけで、これによって見る者の意識は、ミニマムな前景の庭から広大無辺な外の世界へと、飛翔していくのであります。

下は真の築山の方から盛美館を見たものですが、


どこか小ぢんまりとしているような気がしないでしょうか。
それというのも、たぶん館の方が「内」だからなのだと思います。

ところで盛美園が「借りぐらしのアリエッティ」ですが、ガイドさんの話によると、同作を見たことがある人は、池泉から行の築山の方向へ流れているこの小川を見て、アリエッティたちが最後にヤカンの船に乗って川を下っていく場面を思い出すのだそうです。


「アリエッティ」は前に金曜ロードショーで一度見ただけなので、そんな場面があったことなどすっかり忘れていて、説明を受けている間、ずっとポカンとした顔をしてましたが、あとで「そういえばそんなシーンがあったな」と。
どうでしょうか、「アリエッティ」ぽいでしょうか。

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