2013年8月11日日曜日

みちのく丸帰港

本日11日、みちのく丸が24日間の航海を終えて青森港に寄港しました。
青森港に入港するのは午前9時の予定で、それに合わせて帰港セレモニーが行われるという話でしたが、面倒くさかったので、午後になってからすでに青森港に入港済みのみちのく丸を見にいきました。


というわけで、帰港セレモニーで何が行われたのかは見ていないのですが、今日はみちのく丸の船内展示も行われるといいます。
わたしもさっそく申し込んで、船内の見学をしてきました。

見学は約30分間隔で行われていたでしょうか。
船外のテントに設けられた受付で船内見学の申し込みをし、時間がきたら、待機していた人たちが順次船内に乗り込んで、係の人の説明を受けます。
まず説明を受けたのは、船員の居住スペースにあたる部分でした。

甲板部分の下の方に開口部が見えると思いますが、そこが入口です。


これが内部の様子です。


広さは12畳くらいだったでしょうか。ここに男ばかり十数人の乗組員が寝泊りするのですから、なんというかあれです、わたしはちょっと遠慮したいです。
写真の左側に棒が刺さってある装置が見えると思いますが、これは轆轤(ろくろ)と呼ばれるもので、帆の上げ下ろしをする装置であります。
昔は帆を左右2基の轆轤を計12人で小一時間ほどかけて上げ下ろししたそうですが、今は船底に忍ばせた発電機とモーターを使って1~2分で展帆(帆を上げること)するそうです。便利な世の中になりました。

こちらは居住空間の船尾側の写真です。


太いロープは帆桁に付ける身縄と呼ばれるもの。
写真中央に見える太い柱のようなものは、舵の一部です。
その他、壁面に設けられた棚のようなものが見えます。
つまり、ここは居住空間であるとともに、機関部でもあるのです。

棚は反対側の壁面にもありました。


その一角には、神棚もあります。


幣帛や八幡神社、金刀比羅宮と書かれた御守りなどのほかに、春光山円覚寺と書かれたお札が確認できました。
調べたら、春光山円覚寺というのは深浦にある真言宗のお寺で、北前船の船乗りたちに崇敬されてきたお寺みたいです。
金刀比羅宮の御守りがあることからも明らかですが、この神棚はもっぱら海上安全を祈願するためのもののようでした。

船荷はバランスをとるために、まずは船底から入れていきます。
船底に荷を納めてしまうと、今度は先の居住空間の開口部の手前側にあった、一段低くなっている空間にびっしりと納められます。
すると開口部は人の出入り口として使えなくなるので、居住空間の左右に取り付けられた、この出入り口から出入りするのです。


本来はこちらが本当の出入り口だとか。
名称は失念しましたが、猫なんとか、だったと思います。
開口部が歪んで見えるのは、別にわたしの写真の撮り方がまずいわけではなく、船の形に合わせてこういうふうに斜めに作られているのです。
下手に作るとすぐ立て付けが悪くなりそうだなと思いました。

居住空間の説明が終わると、今度は甲板に上がり、そこの説明を受けました。

これは舵の一部です。


船尾に取り付けられた大きな一枚の舵に柄を渡し、それ一本で操舵します。
千石船といって、積み荷だけで150トンにも及ぶ船を操作するため、梃子の原理で柄は非常に長くなっておりました。

こちらは帆柱です。


みちのく丸の帆柱は28mの長さがあります。
これには樹齢200年ほどの杉の一木を用いているそうで、もとの木の所有者に造船の目的などを滔々と説き、それなりの謝礼(説明の人曰く「ちょっと言えないぐらいの金額」)を支払ってなんとか譲ってもらったものだそうです。
帆柱の先端には蝉と呼ばれる滑車が取り付けられ、帆桁(帆を取り付ける棒)を上げ下ろしする太い縄(身縄)が通っています。
帆桁は長さ18メートルあり、そこに24反(1反=約991.74平方メートル)の帆を6反ずつ4つに分けて、一枚の布状にして取り付けているそうです。
けっきょく、わたしはみちのく丸が展帆する姿を一度も見ることができませんでしたが、大きな帆が一枚きりしかないために、帆を上げるにはかなり慎重を要するのだそうです。風速が10メートルを超えると、もうだめなのだそうです。
そういうわけで、展帆している様子を見ることができた寄港地の人たちは、なかなか運がよかったのだろうなと思いました。

これで船内の見学はおしまいです。


下船して、しばし船体を眺むる。


装飾性が乏しい船ですが、所どころに用いられている金具の形や彫刻は、なにげにおしゃれです。


あらためて、いい船だなと思いました。
なによりもこの、ほぼ木材と繊維と、わずかな金属だけでできている船で大海原に漕ぎだしていった昔の人たちに、敬意を抱かずにはおれません。

船の外でみちのく丸のグッズを販売していたので、手ぬぐいを購入。


渋い藍染。お値段はそんなにお手頃じゃない価格の1000円でした。
そろそろ、発作的に手ぬぐいを購入する癖を改めなければと感じています。
しかしながら、いい手ぬぐいです。

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