角のある「狛犬」 |
狛犬は神域を守護する霊獣で、そのルーツは古代オリエントまでさかのぼるといいます。
もとは獅子(ライオン)でありましたが、伝播の過程で中国の霊獣思想と結びついて架空の「獅子(唐獅子)」となり、それがさらに日本に入って狛犬と呼ばれるようになりました。
獅子なのになぜ犬という字が使われているのでしょうか。
おそらく外国から渡来した長毛種の犬に似ていたからではないかと推察しますが、はっきりしたことはわかりません。
ただ、試みにウィキペディアで「狆」の項目を見てみたら、朝鮮経由で入ってきた犬を昔は「高麗犬(こまいぬ)」と呼んでいたらしいということが書かれていたので、自説に対してちょっと自信を持ちました。
厳密には角がないものを獅子、角があるものを狛犬と呼び、古くは「獅子・狛犬」で一対としていたようです。
今日見かけるものは左右共に獅子である場合がほとんどですが、狛犬ファンの間でも「狛犬」という名前を使うのが通例となっているし、一般的にもその方がわかりやすいと思われるので、ここでもそのように呼んでいます。
原則として、右側にあって口を開けているのが「阿形(あぎょう)」、左側にあって口を閉じているものを「吽形(うんぎょう)」といいます。
あくまで原則としてなので、その通りではないことがあっても、あまり気にすることはありません。
阿吽の形式は日本独自のもので、寺院の山門にある仁王像がこの形式をとっていることからもわかるように、仏教の影響を受けているようです。
と、ここでこんな説明を見るよりは、三遊亭円丈さんとか鐸木能光さんとかねずてつやさんとか上杉千郷さんの本を読むほうが詳しくてわかりやすいと思います。
品切れか絶版になっている本もありますが、図書館に置いてある場合がありますし、しかも図書館だとタダで読めます。
その他書籍、ウェブ上の情報など、探せばいくらでも見つかるので、もっと詳しく知りたい方はそちらをどうぞ。
最後は丸投げですよ。
余談ですが、本に載ったりして狛犬ファンの間でよく知られた狛犬のことを、個人的に「セレブ」と呼んでいます。
日本における成金みたいなイメージのセレブではなく、著名人とか名士という意味でのセレブです。
この名称を、なんとか流行らせたいと思っております。